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第47話 王妃の沈黙

last update publish date: 2026-09-23 13:54:33

 王妃イザベルの署名は、美しい。

 細く、流れるようで、最後の一画だけが少し跳ねる。

 まるで、白鳥の羽先が水面をかすめるような文字だった。

 リディアは、王妃宮から提出された慈善書簡の原本を机に並べながら、その署名をじっと見ていた。

 王妃名義の書簡は、全部で二十七通。

 白羽の会設立承認に関するもの。

 地方慈善団体への後援推薦。

 貴族夫人たちへの礼状。

 冬季毛布配布会への祝辞。

 聖ルカ孤児院を含む複数施設への支援配分通知。

 そして、白羽の会に対する「王妃宮の信任」を示す文面。

 どれも丁寧だった。

 紙も上質。

 文章も優美。

 王妃宮らしい、白く静かな言葉。

 だが、美しいものほど疑え。

 ここ数日で、リディアはそれを嫌というほど学んでいた。

「筆跡鑑定官
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